あきらめないで!膵臓がん
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日本と欧米における膵臓がんの治療方針は大きく異なっており、遠隔転移のない膵周囲浸潤のみられる膵臓がん(局所進行膵臓がん)に対しては、本邦では外科切除が、欧米では放射線療法や化学療法が選択される傾向にあります。本邦では、Stage IV膵臓がんには放射線化学療法より外科切除手術のメリットが大きいと報告されましたが(Surgery136:1003-11, 2004)、欧米ではこのような場合でも門脈再建が必要ならば一般的には切除の適応とはならないようです。ちなみに、腹腔動脈幹または上腸間膜動脈に がんが浸潤していれば、日米ともに組織学的治癒切除(R0)を得ることはできないので切除不能と考えられています。本邦では、以前そのような状況での切除もありましたが、現在は適応外です。

<都立駒込病院の報告>ではR0は約半数のみにしか得られないうえ、どうもR0でないと大きな手術侵襲に見合うだけのメリットが得られないということが示されています。R0の見込みが高い場合には確実な切除に努めること、そしてR0が明らかに困難と予想される場合には切除を避けることは、膵臓がん治療方針における基本的ルールと思われます。しかし現実的には、R0の可否がそうそうクリアーカットに判断できるというわけではありません。主治医の先生の判断、各施設で可能な治療法の選択、その組み合わせなどがあって、治療方針には最終的に様々なバリエーションが生じてくるのです。



<都立駒込病院の報告>
都立駒込病院では、膵切除の有無を問わず術中できれば術後にも照射を加えることで局所コントロールに努めてきた。切除の適応は欧米型の考えに近い。すなわち、腹腔動脈幹または上腸間膜動脈に浸潤していないことはもちろん門脈再建が必要ない場合である。化学療法未施行症例における検討結果として、1.切除可能であってもほぼ半数でR0が得られなかった、2.R0が得られなかった切除+照射症例の予後は、照射単独非切除症例とほぼ同等であった、の2点が特に重要である。切除+照射を行った3cmを超える膵臓がん症例にR0が得られなかった場合には、バイパス手術+照射を行った6cm未満の症例よりも有意に予後不良であることが、具体的に明らかとなっている(World J. Surg. 27, 599-605,2003.)。




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